上海にハーレー族現る

2012/6/29 Friday
大西 亘(上海在住)

最近、夜の上海で隊をなしたハーレーダビッドソンの爆音をよく耳にする。僕が住む上海ではあまりオートバイを見かけないので、ちょっと意外な、新鮮な感覚である。 上海で日常目にする二輪車は電動自転車、電動スクーター、スクーターが中心。オートバイといえば、地方のナンバーをつけた、出稼ぎのおじさん達が運転する個人タクシーならぬバイクタクシーくらいで、個人で乗る人は少ない。

なぜ上海市内にオートバイがこうも少ないのか?以前から上海市政府の規制については、色々噂を聞いてはいたが、本当のところは見えていなかったので、その実態をバイク乗りの上海人の友人に聞いてみた。友人が言うには上海政府はオートバイそのものを基本的に奨励していないということ。その第一の理由は事故が多いため、第二の理由は自動車の販売台数を伸ばしたいため。なるほどという感じ。

規制はやはりあったよう。規制のために政府が行っている具体的な手段というのが、ナンバープレートのオークション制度である。これは初耳だった。発行するナンバープレートの数を限定し、少ない数をさらにオークションで売るというのである。今月のナンバープレートの値段は驚きの6万7千元(今日のレートで85万円)。これは、高い。さらに輸入物のオートバイだと税関で税金がかかる。ちなみに、話を聞いた友人は、10年前に当時15万円でナンバープレートを手に入れていたから助かったとのこと。ナンバープレートだけでこの値段なのだから、オートバイを購入する人はお金持ちに限定され、お金持ちからすれば安いバイクには興味がない。つまりは、上海にあまりオートバイが走っていない理由も頷ける。

上海ファッションは基本カジュアルで、おしゃれな若者はほとんど皆、細身のジーンズにお気に入りのスニーカーかブーツといったロックンロールかスケータースタイルである。ハーレーダビッドソンはこのトレンドと合致しており、さらにお金持ちであるということのアイコンになっている。ハーレーダビッドソン以外にも、上海では、爆音を出した派手なスポーツカーも多く見かける。ハーレーダビッドソンにしても、スポーツカーにしても、お金のある人はその爆音でお金持ちであることを誇示しないと気がすまないのが今の中国である。