クロアチアのメディアのメディア事情

2012/1/24 Tuesday
Mirna Juric, Key Account Manager, Madison Consulting
MirnaIRNA JURIĆ, key account manager voditeljica ključnih klijenata 私がこの記事を書いているのは総選挙が行われる直前(2011年11月)です。世論調査ではどのメディアも満場一致で社会民主党率いる中道左派連合が勝利すると予想しています。2期を務めた保守政府が、メディアに暴かれた一連のスキャンダルに関わっていたためです。

クロアチアのメディアは20年前と比べ本当に変わりました。

Croatia map 1990年代の民主化される以前のクロアチアでは、半世紀もの共産主義社会のもとで、ジャーナリストはどんな政府批判であろうと慎重にならざるをえませんでした。以前は、全ての主要な新聞や電子メディアは、国有及び当局によって運営されていましたが、現在は私営化され政治権力の影響を受けることもなくなりました。

クロアチアのメディア事情は、主な情報源であるテレビによって支配されています。ケーブルネットワークが徐々に市場に導入され、ほとんどの人が唯一の国営の放送局、HRT(クロアチア国営放送)を見ています。結果として大半の人達は同じ情報源からの同じ情報を得ており、国営放送は広い聴衆に情報を伝達する鍵となっています。

圧倒的な支持を受けていたクロアチア国営放送は初めて、この2年間、中央ヨーロッパメディアエンタープライズ(CEME)とテレビルクセンブルク(RTL)がそれぞれ所有する2つの民間放送局にその地位を脅かされています。

クロアチアの新聞局の大半は2つの海外の巨大メディア企業によって所有されています。1つは430万人の市場の中で43%のシェアを握るドイツ系企業のヨーロッパプレスホールディングス(EPH)、もう1つは46%のシェアを握るオーストリアンシュティリアです。二つの特に影響力のある新聞、『Jutarnji list』と『Vecernji list』は、クロアチア首都のザグレブで発行されています。結果として広告費がコンテンツに大きな影響を与えていますが、部数を減らしてはいるものの、印刷メディアは未だに世論を形成する人々に大きな影響を与える存在です。印刷メディアはメールではなく直接のインタビューを行い、法律でも効力を持つことから、PR専門家にも認められています。

世界中の民主主義の国と同様に、古いメディアはインターネットの勢いに苦戦を強いられています。クロアチアの250万人のインターネットユーザーの3分の2がFacebookやTwitterといったソーシャルネットワークを利用しています。ソーシャルネットワークの浸透により、クライアントはソーシャルメディアがどんな利益を生み出すのか、どうやって効果測定を行うのかなど具体的には何も理解していないにも関わらず、FacebookやTwitterを利用したがっています。

クロアチのPRの歴史はまだ浅いのですが、急速に成長をしています。わずか8年前に最初のPRコースがある大学が設立されたということもあり、クロアチアのPR専門家は、ほとんどがジャーナリスト出身者やその他の経歴を持つ人達です。半分以上のPR専門家は企業に勤め、20%が政府、10%がPR代理店、そして文化、教育、NGOといった割合です。コミュニケーション分野にほとんど投資しない公共機関とは対照的に、企業は社内の広報部門に加えPR代理店を雇い、コミュニケーションに多くの投資をしています。

PRはクロアチアでは高い尊敬を得られる職業ではありません。専門家達は「パブリックリレーションズ」や「コミュニケーションコンサルタント」、またはそれに近い用語を使用することを避けようとしています。それは20年弱にわたるクロアチアのPRの歴史の中で、あらゆる活動がPRと呼ばれ、不満足で非道徳的な行いを見てきたからです。しかし、近年では大学プログラムの質の向上や専門職協会と多くの同僚の努力により、PR業界は良い方向へと変化しています。