人生を前向きにする、日本発の冠“婚”葬祭ビジネス

2011/12/22 Thursday
アカウント・エグゼクティブ 森島 みなみ
今回は冠婚葬祭の"婚"にまつわる今注目のビジネスの話をしたいと思う。 ちなみに、ここで言う"婚"は、結婚ではなく、離婚のことである。そして、今注目のビジネスとは、『離婚式』のことだ。

戦後まもない1947年、日本の離婚件数は7万9,551組であったが、現在は25万1,383組(厚生労働省2010年度統計)と、離婚する夫婦は3倍以上に増えている。 『離婚式』は、まさに現代社会の風潮を体現したビジネスである。

では、『離婚式』とは一体どういうものなのか? まずは、司会者から旧郎旧婦が離婚に至った経緯を説明。そして、仲人に代わる裂人(さこうど)の挨拶、旧郎旧婦共通の友人のスピーチと、流れだけを見ると、結婚式とさほど変わらない。

結婚式での最大の見せ場は、新郎新婦の初めての共同作業である『ケーキカット』、そして『ファーストバイト』。離婚式では、旧郎旧婦の最後の共同作業として、『離婚届への署名捺印』『ハンマーで指輪の破壊』が行われる。この2点が結婚式との決定的な違いだろう。

ややネガティブなこのビジネスに需要があるのか些か疑問だが、離婚式の第一人者である寺井広樹氏によると、現在100組以上の離婚式を手掛けており、また、式への問い合わせは東日本大震災前と比べ、約3倍に膨れ上がっているそうだ。増加理由についても、震災が人生の優先順位を今一度考え直させ、そこで夫婦が価値観の相違に気付くためではないか、という。

夫婦が手と手を取り合い、新たな人生のスタートを切るという意味では、結婚式と離婚式の目的は同じところにある。夫婦が揃って前向きになれるからこそ、需要が高まってきているのだろう。

余談であるが、そろそろ結婚を視野に入れて人生設計を考える20代半ばの筆者、まさかゼクシィよりも先に離婚式のサイトを開くとは思いもしなかった。人生何が起きるか分からない。とりあえず、ゼクシィと一緒にブックマークをして、『もしもの時に』というフォルダにでも入れておこう…。


厚生労働省発行「平成22年(2010)人口動態統計の年間推計」より