反省ばかりのコミュニケーション

2011/4/18 Monday
マーケティングコミュニケーション・コンサルタント 原田 有紀子
悪夢の3月11日から一ヶ月余りが経った。

この1ヶ月、日本政府と東京電力(以下東電)の発表にみるコミュニケーションレベルの低さに驚かされてばかりだ。あまりにもお粗末な対応に、もしかして意図的にやっているのかと思うこともしばしばである。その中でも気になったものをいくつかピックアップしてみたい。

まずは、発表の仕方。政府、東電両方とも何を発表しても直近のことばかりで全体像がまったく見えない。「現在○○をしている」と直近のことばかりで今後の見通しや想定される今後のリスク等の発表は全くない。また水道水や野菜の放射能汚染に関しての発表の際には、「人体に影響がすぐに出るレベルではないが、控えてほしい」など、非常にあいまいな表現をしたことにより、余計人々を混乱させてしまった。しかも混乱させておきながら「冷静な判断と対応をお願いしたい」と。日本語特有の曖昧表現が起こした混乱である。

次に、東電のスポークスパーソンの多さ。誰がキーマンか全く見えない。人数を多くすることで責任者を見せない団体行動好きの日本人ならでは発想だろうか。中心の報道官が一人いて、それを各担当が補足するのであれば理解できるが、マイクを回しながら複数人が話す姿は幼稚園のお遊戯会のようだ。極めつけは、会見中「すみません」と泣き出すスポークスマンもいた。泣きたいのは被災者である。

そして、国外とのコミュニケーション不足による今後の日本経済の更なる低迷だ。大変残念なことに政府は目先のことばかりでそこまで全く考えていないようだ。放射性物質が含まれた汚染水を海に大量に放水することを諸外国に対しても事前に通知しなかったという大変お粗末な外交からもよくわかる。外国政府からクレームが来た際の政府のコメントは、「近隣諸国に配慮が足りなかった」と反省のコメントを出した。こんな政府が陣頭指揮をとっている日本を同情はすれど、誰が対等に今後ビジネスをしたいと思うのだろうか。

反省ばかりでなく、そろそろ上質のコミュニケーションを学んでもらいたい。